時計からラーメン二郎まで

自分の好きなこと 思想を書きます。

求人が嘘だった話


夏休みになった事だし何かバイトでもしよう。
そう思っていた。

適当にネットで良い情報なんてないかななんて探してたんだ。
探してたら結構良い条件でエアガンを塗装する仕事があった。

これなら接客でもないし黙々出来て良いななんて思った。
それで申し込んだ。 大手のバイト情報を掲載していたサイトだったので完全に信用していた。
嘘なんてつくはずがないと思っていた。

会社の場所を下見しに行く

それで申し込んでからこれから楽しい事があるぞってかなりわくわくしていた。

会社からの返事なんて待ってられなかったので下見でもしに行こうと思った。
ちなみにそこでは加工の仕事なんかもあるらしくてフライス盤も使えるというような事が書いてあった。

加工の仕事なんて普通のバイトでは出来ないので僕はかなり運が良いぞと思っていた。

もうすぐに見に行こうとはやる気持ちを押さえ電車に飛び乗った。

そして錦糸町駅の北口を出るとそこには錦糸町らしい下町っぽさがあって街行く人々は心なしかみんな楽しそうだった。

向こうにはスカイツリーも見えていて何だか良いところでバイト出来るぞと張り切っていた。

スマホで住所を確認して歩いて行く。
大体徒歩7、8分といった所か。

歩いている内に何かがおかしいという事に気付き始める。
求人には確かエアガンの販売もしていると書いてあった。

その情報から繁華街にあって人がよく来るんだろうなと思っていた。

しかし歩いている方向はどう考えても住宅地の方向だったのだ。
小さい町工場の会社みたいなのが沢山ある場所だった。

人の勘なんてのは大体当たるものなのかもしれない。
スマホの地図を見ると確かにその場所についているはずなのにそこにはどう見ても人が住んでいるとは思えないやばそうな家があった。

なんだこれは… どう考えても人が働く場所でもないし住む場所でもないだろうって思うような酷い所だった。

周りを見ると町工場みたいな所は大体会社の名前が貼ってあって会社名が分かるというのが普通だった。

ここでようやく気づいた。
あの求人は嘘だったんだ。
時給が違うとか環境が悪いとかそういう話ではなくそもそも場所自体が無かった。

正確には住所地には建物が建ってる事は建ってるのだがこれはフェイクだとすぐに分かるものだった。

錦糸町駅に帰る道を歩いてる途中ずっと考えていた。
そもそも場所自体無いのに求人を出すメリットがどこにあるのだろうか。
広告費がかさむだけだろうと思っていた。

行きとは違い街行く人々はとても疲れているように見えた。
みんな自分の人生に色んな問題を抱えてそれでも頑張って行きてるんだ なんて訳のわからない思考になっていた。

結局自分を他人に投影して楽しそうとか辛そうとか思ってるだけなんだって思った。

心なしかスカイツリーも自分を無情に自分を見下している様に見えた。

なぜその企業は嘘の求人を出したのか。

家に帰ってからゆっくり考えてみて結論が出たのだが もし連絡が来ないと思って電話をすると面接は他の場所でやろうとでもいって来るのだろう。

それでその面接の場所に行くとどうなるか想像したくもないが恐らく良い結果にはなってなかっただろう。

僕は大手のバイト情報を掲載しているサイトだったから嘘なんて載ってないと信じきっていた。

ただよく考えてみれば分かる事だがサイトは情報を掲載するだけでその後は自己責任になる。

面接を他の場所にしようなんていってそこの場所に行ったらもうそれはサイトに責任なんてないから関係ないんだ。

実を言うとその後マイナビからではなくその会社からメールが来た。

内容は面接の相談をさせてくださいとの事だった。
ビンゴだった。
これは正直 下見をしなければ分からなかったことだしその電話番号にかけてしまっていた事だろう。

本当に下見をしていて良かったと思っている。
何にも疑わずに違う面接地に行っていたら僕は今頃どうなっていたんだろう。

本当にやばすぎる話かもしれない。
東京湾に沈んでいたかもしれない。
ヤクザの事務所だったらそれぐらいの話があっても不思議ではない。

自分の目で見たもの以外は信用してはいけない。

この出来事から得た教訓はネットもそうだし電話でも自分の目で見ていない以上信用してはいけないという事だった。

その求人にも結構立派なエアガンがいっぱいのった店みたいな画像が載っていた。

それぐらいネットからいくらでも引っ張ってこれるし実際行った場所にはそんな店があるものでもなかった。

ネットの画像はいくらでも作れるしこれは信用してはいけないなと本当に思った。

マジで下見をしていて良かったと思っている。死なずに済んだのだから。

本当にこの世の中信用できないなと思った出来事なのであった。